D&Diary 地方芸能界創成記〜「タレント事務所」と「キャスティング事務所」

D&Diary 地方芸能界創成記〜「タレント事務所」と「キャスティング事務所」

 山崎が14年勤めたキャスティングオフィスEGGを辞めたのは、EGGが大好きだったからである。もっともっとEGGという会社、劇団フルーツバスケット、そこに所属するみんな、そしてきくち美由紀の為に自分が出来る事があるはずだ!と思ったのだ。
さらには、北海道の役者仲間達がもっと成功(儲かって)して欲しいし、山崎ももっと演じる場所が欲しい。
※いきなり何の話やねん!?
※自己紹介はまた改めてするとして今日は表題のように「タレント事務所」と「キャスティング事務所」の違いについて

 さて、EGGの主な仕事として「キャスティング」がある。ドラマや映画、CMに出演する人を手配する仕事である。
EGGは「タレント事務所」ではなく、「キャスティング事務所」なのだ。

この二つにはとても大きな違いがある。

「タレント事務所」は、所属タレントを抱え、そのタレントが各メディアに出演する事で出演料とマネージメント料が入るビジネスモデル。

「キャスティング事務所」は、CMやドラマに出演する「こういう人」を探し、そこに出演料とキャスティング料が入るビジネるモデル。

CM制作で考えてみよう。
有名なタレントさんを起用する事で、商品の売り上げが上がる。5億円の売り上げを上げる為に、1億円で有名タレントを起用すれば、4億円の儲けが出ます。
※本当はもっと制作費が掛かりますよ。

そしてそこにはイメージが大きく影響をするので、品行方正でイメージの良い人が起用されます。さらに、その広告に出演している間は、他の競合企業の広告に出てはいけない。何か問題が起きた時には損害賠償を請求される。という契約を結ぶ事になります。
※そりゃそうです。4億円の儲けが見込めるのに、事件が起きて商品が売れなくなったら大損害なわけです。

これが、タレントさんを起用するCM制作です。
続いて、次のようなCMを想像してみてください。
たくさんの家族、
生まれたての赤ちゃんとお父さんお母さん。
小学生の姉弟とお父さんお母さん。
おじいちゃんおばあちゃんと孫娘とお父さんお母さん。
若い夫婦。
たくさんの家族団欒の真ん中には美味しいお鍋。みたいなCMがあったとします。
※ありそう。

で、その場合、タレントさんが入ると、タレントさんに目が行ってしまうんです。
色々な家族があって、「我が家にも当てはまる〜」っていう感覚が欲しいのに。
タレントさんが出ている場合は、「憧れ」や「好き」という感覚が購買意欲に繋がりますよね?
「キムタクが食べているマックを俺も食べて〜!」みたいに。
「石原さとみちゃんが使っている柔軟剤を使って私もさとみちゃん♪」みたいに。

お鍋のCMの場合は、「あぁ、今夜はうちもお鍋にしよう♪」という感じです。
イメージと商品に目が行くようになっています。

なのでその場合、
タレントさんではない、
個性が強過ぎて目立ってはいけない、
清潔感や爽やかさがあってほしい、
という条件が求められるわけです。

こうして、「キムタク!」とか「石原さとみちゃん!」ではなく、
「なんとなく良いイメージの人たち」を探すというキャスティングが始まるわけです。
※山崎はここのスペシャリストを目指しました。

事務所に所属していようが、していなかろうが、
モデルさんであろうが、パフォーマーであろうが、

「なんとなく良いイメージの人」であれば良いわけです。
※この場合はね。
※案件ごとに必要なイメージは変わります。個性的な人を求める場合も多々あります。

なので、「沢山の人を知っている」人にキャスティングをお願いする訳です。

それを商売にしたのが、「キャスティング事務所」です。
山崎が登録する「キャスティングオフィスEGG」には、4000名くらいの人が「タレント登録」をしています。

4000人の個人情報を取り扱い、情報をその都度更新していく必要があります。
※なかなか大変そう。

キャスティングがたっくさん来ている時は良いですけどね。

しかし、例えば東日本大震災や、コロナ禍では、企業が人を使って広告を打つ事が自粛されました。当然、キャスティングは減ります。売り上げも下がります。
それはキャスティング事務所だけに限らず、業界全部に大打撃となりました。

2011年の東日本大震災を経て、その事を痛感した山崎は、この不安定なビジネスモデルを何とか出来ないだろうか?と考え始めました。

そして、長く北海道で俳優・映像監督・キャスティングをしてきた山崎は、EGG以外にも仲間が出来て、後輩が出来て、生徒が出来ました。

東京に行って、夢破れて行く仲間たちも沢山見ました。
※東京に行くことは大賛成ですし、まずは山崎も「東京に行け!」と言います。

山崎は、1年しか東京で生活しておりませんが、
「北海道」で暮らしたいと思い、1年で札幌に戻ってきました。
そして、好きな場所「EGG」で働くことになりました。

家族の近くで、
大好きな人たちと一緒に暮らす。
※これがとっても幸せと感じました。

そして、北海道で、俳優業・監督業で食べていく。
※これが簡単ではないと分かっていながら。

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北海道で「タレント」として成功するのはとても大変です。
「タレント」として「成功」する為にはやはり、東京進出しなくてはならないのです。
大泉洋さんや、チームナックスの皆さんのように。

なぜなら、タレントに必要なのは「認知度」です。
たくさんの人に知られ、好かれ、必要とされる事で、出演の依頼が来ます。
その為には、いかに多くの人に知ってもらうかが大事です。

そして、何より「出演料」の問題です。
東京と地方では、金額が一桁、二桁違うと言われます。
※実際に違います。

東京に比べて、出演料が少なく、そもそも広告の数が少ない地方では、
「タレント」として生きていくのは、簡単ではないんです。

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という構図なので、
山崎が「キャスティングオフィスEGG」の会社員として、仕事を続けていても、会社の売り上げを上げる仕事っぷりに限界があるなぁと感じたのです。

これは、地方芸能界の構図・仕組みを変えないと、
地方芸能界で成功する!という沢山の人の夢を叶えられないと思ったのです。

 山崎が14年勤めたキャスティングオフィスEGGを辞めたのは、EGGが大好きだったからである。もっともっとEGGという会社、劇団フルーツバスケット、そこに所属するみんな、そしてきくち美由紀の為に自分が出来る事があるはずだ!と思ったのだ。
さらには、北海道の役者仲間達がもっと成功(儲かって)して欲しいし、山崎ももっと演じる場所が欲しい。
※冒頭の文章をコピペ。

 つづく。

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